SIDE-Aの仕事の職場が、今年創業うん10年を迎えます。
周年記念の特設サイトが1年間限定で立ち上げられることになりました。
コンテンツの一つとして、当社社員の何人かが各部門から選出され登場します。
ポートレイト&メッセージとともに紹介される予定。
制作担当はウチの部門の若手エースくんなのですが、頼まれて私は、ちょいちょい撮影アシスタントなどをしています。
レフ板持ってロケ撮影の立会いとか。モデルさんのチェックとか?
メンバー選定、ロケハン、撮影、撮影した画像のチョイス作業。
年明けよりエースは実に熱心に取り組んでいます。
撮られるモデルは、日頃一緒に働く社内メンバーなのであります。
ただいざ「ポートレイト」をとなると、それはそれはモデル本人もスタッフも普段ありえないくらいの密度で、ファインダ越しにヒトの顔や表情というものと向かい合うことになります。
あ、別にコスプレ写真とかではないのですよ。
もっともその人らしいナチュラルな一瞬を切りとりたい!という、担当くんの熱意のもと。
「撮る/撮られる」という関係性。普段社内で見る印象とは違う一面がちらりと垣間見える瞬間。
時に、まるで付き合ってんのか?恋人か!というくらい、密度濃い一瞬が切りとられる瞬間もあるのです。
実に面白い日々。
そばで撮影を眺めがら、私の頭をずっとよぎっていたのは
「顔って一体、誰のものなんだろう?」
ということ。
さて、みなさんどう思いますか?
「顔は誰のものか?」
自分のものじゃないの?
実は、私も特設サイトの登場人物の一人となりまして、アシスタント作業の合間に撮影をしてもらいました。
撮る側にいながら、はい。撮られる側にもなってしまった(爆)
カメラマンを務める担当エースくんは、撮影後、選び抜いた数カットをホルダに入れ、モデル本人に見せます。
撮られた本人は、そこで初めて撮られた自分と向き合うのですが、この時の反応が
なんというか、、、私を含めて、皆とてもナイーブです。
ああ、自分はこんな顔なのか〜(がっくし)
うええ〜?ここ、ここ!もうちょっとなんとかならないかぁ?
シミ、シワ、もっともっと・・・・。
落ち着かないことハナハダシイ。
1年間WEBに使われるのですから、いくら自分のこととはいえ、まあ簡単には諦めにくいです(笑)
正直私も自分の写真にオロオロしましたが、まあ、、、、撮られたのも、写っているのも間違いなく自分(の一部)
しようがない。。。。
そこで気づいたこと。
顔はね、実は自分のものではないのだなあということでした。
私が見ている私の顔は、必ず鏡や写真や、「ある種のフィルタ」を通して切り取られたもの。
生の、そのままの顔ではありません。
「それが自分」と思いこんでいるだけの、いわば「私の顔(仮)」みたいな感じでしょうか。
仮にどんだけ自撮り大好きな人であったとしても、
現物の自分のナマの顔を見ているのは明らかに自分ではなく、「周りの人」だからです。
ふと思い出すこと。
私が一年以上継続して、治療を受けている鍼灸の先生。
私が治療院に入ってきた時の表情で、その日の(私の)コンディションがだいたい読めるようになったと、最近笑いながらよく言われます。
「先週に比べて調子はどうですか?」という質問に「はい〜割と元気ですよ〜」と答える私の言葉が実際に正しいんだかどうだかは、つまりは先生のほうが知っている。
その日の表情を見て、診察をして、施術をして反応や裏付けを見ているわけで、いわば調査期間は1年越し、先生は精度の高い「くれはるという人間のデータベース」でもあります。
それはそれは、もはや当事者の自認識をはるかに超えている。
先生の前では、私の顔や表情は、もう私のものではないと言える。
はあ?今日は元気だ〜?何言ってんだこいつ〜、と思われているかもしれないのです(汗)
自意識というもののなんという儚さよ.。。
さて、私のポートレイト。
カメラ担当エースくんは、数ある中から最終2カットの候補を示してくれました。
カットAとカットB。
初見で私は内心「カットA、かなあ・・・選ぶなら」と思った。言葉には出さなかったけれど。
まずは黙ったまま、うーんどっちかな?と尋ねたところ「Bですね。こっちの方が“らしい“ですよ」。
きっぱり彼は言いました。
「ほほーそうですかー」
面白い。
では、ならばそちらで。
私はそう言い、選択を委ねました。Bに決定です。
多分もうちょっと前だったら、私は「えー、Aにしてください〜」
と言ったでしょう。Bは、自分ではきっと選ばなかったな。
でも今回、ふと委ねてみようという気になった。
そしてその瞬間、自分で自分の腑に落ちたのです。
切りとられた「顔」は、私のものではない。
いうなればある意味、社会性の、関係性の産物。
こちらが良き、と意志を持って選んでくれる人にお任せしてみましょう。
それもまた、良き。
決意したらなんとなく、人生における深刻さの一つをふわっと手放せたようで、
今はそう、思いがけずちょっと軽やかな気持ちです。
さて、どんな成果物になりますやら。
ふふふのふ。
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