企画立案者である、先生からお話を聞いたのが6月。
「学校とアーユルヴェーダ」の出会いは、アーユルヴェーダ案内人としては、
とても興味深いテーマでしたが、果たして現場の保護者さん、先生方には
一体どう受け止められるのだろう?
気になったのも事実です。
そこで、みなさんのことを少し知りたくて、参加希望の方に事前アンケートを記入して
いただきました。
質問は「日々の生活の中でのお悩み、自分の心身、家族のこと、子育てのこと」
その記入回答を受け取ったのが7月。
届いたアンケートは皆、丁寧な手書き文字でした。
中には、なんどもなんども書き直したであろう(と思われる)ものもありました。
まだお目にかかる前、お名前も顔も存じ上げないみなさんからいただいたお手紙です。
その中には、書いた人の息遣いすら聞こえそうなリアルがありました。
今の日本、今の東京で子育てをする、お母さんたちの現実の日々。
そこにどんな時間が詰まっていて
一体どんな喜びや悩みがあるのか。
どれくらい、どれくらい。。。
書かれていたのは、どれも真摯な声ばかり。
中には、ちょっぴり疲れている声もそこここにあって、どれ一つとして、作り物はないことを
知りました。
夏の間じゅう、私はそれをずっと毎日持ち歩いて、繰り返し取り出し読んでいた。
講座内容の組み立てに行き詰まるたびに開いては読み返しました。
もらったお便り、全てはそこから始まりました。
▪︎お母さんの元気とアーユルヴェーダ
子育て中のみなさんがアーユルヴェーダの知恵が出会うことで、
今よりほんの少し元気になってもらうことはできないか?
大事にしたいと考えたこと。
まず最初に、お母さんが「自分自身の手で」自分を元気にすること。
誰かに癒してもらうことや、外から与えられる何かを待つのではない。
そう、自分で自分を元気にゴキゲンにできる方法を。
いや「アーユルヴェーダ」の中にはあるじゃない、ヒントが!と。
2時間の講座です。
アーユルヴェーダの考え方と今日からできる実践をぎゅっとシンプルにお届けしよう。
それが、丁寧に書いてもらったお便り(アンケート)に、私からお返ししたい「答え」でした。
難しい理論先行よりも、手足を動かし、実践すること。
そこで生まれる変化が心地よく感じられること。
家族を子育てを、日々最優先するお母さんたちが、自分で自分のことを丁寧に扱うきっかけになる。
そんな講座にしよう。
自宅でできるアーユルヴェーダ習慣を一緒に体験してもらおう。
実践は、近所のスーパーでも買える「ごま油」を使ったセルフケア。
難しい道具や理屈はいりません。
全員で輪になって行う3点マッサージのあと、みなさんお顔がホワンと緩んで、お風呂上がりのような表情に。
最初はどこか硬く、緊張気味であった表情はいつしか消えて行きました。
そして、食のこと。
「食べ方」「食との向かいあい方」のお話しをしました。
「食材の良し悪しの話」ではなく、「食べる」とのお付き合いについての話でした。
2時間の間に私が用いたアーユルヴェーダ用語はたった一つ。
それは「アグニ(消化力)」
大事な大事なアグニのこと、この日のキーワードとして、一つだけ持ち帰ってもらいたかったのです。
▪︎良い進化や変化は、らせん階段の形状をしている
良い進化や変化は、らせん階段の形状をしている。
真上に最短距離で昇る「エレベータ型」でも、
まっすぐ直線的に昇る「エスカレータ型」でもなく。
毎日「続けること」が作り出す日常の変化や進化は、緩やかな曲線、緩やかなスロープを登るようなこと。
緩やかなスロープである分、そこで生まれる変化にすぐ気づかないかもしれません。
しかしいつしか、自分の足元は確実に「少し高い場所」へと移っているもの。
同時に自分の視点が上がる分、「見える景色が変わる」のです。
周囲のことや、全体性も、前より見渡しやすくなっていくでしょう。
関係性だって変わるだろう。
これ、実はとても大切なことだと思うのです。
緩やかに、そして確実に、意識的に坂を登った人が持ちうる視点と意識の変化。
気づくとすこうし、前よりものごとがよくなっていることにも気づくはず。
モノ任せ、ヒト任せ、情報任せ、では決して得られないことでもある。
問題解決の糸口としてのアーユルヴェーダ
質疑応答では時間を延長してもらうほど、
みなさんから生の声をたくさん聞くこともできました。
「未来」を育てるお母さんたち。
その身体と心が健康で、豊かな幸福に満ちていることはまずとても大事なこと。
誰もが抱える、生きやすさ、生きにくさ。。。
様々な問題解決の糸口としてのアーユルヴェーダ。
うーん。。。。
アーユルヴェーダは、今私たちの暮らしが抱える
「その」問題解決の手助け/ヒントになれるかな。。
求める場所は?人は?
きっとたくさんあるし、いる。
講座を終え、今はそんなことを考えています。
フラットな視点を持った出会い、場所、、、まだまだ必要そうです。
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最後に。
公立の教育現場にとっては、まだまだ未知なる存在であったであろうアーユルヴェーダ、
熱意を持ってお招きくださった先生方のチャレンジに、感謝と大いなる敬意を。
本当にありがとうございました。
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