沖縄本島、中部の町コザ。
コザはアメリカーな匂いの漂う、基地の町でもある。
この夏、この町を久しぶりに訪れてみました。
むかーしむかーし。
初めて一人でこの町を訪ねた時のこと。
取材先で出会った、夜の町で働くねーねーにこう言われたことがあった。
あんた、もしこの先、シングルで子ども育てる時がきたら、
子供連れて、このシマに来たらいいさー。
年中寒さの心配はないし、必ず誰かが子どもに食べ物をくれるから。
ここなら大丈夫、子供はほっといても育つからよー、と。
当時30代前半、人生に不安しかなかった頃でした。
ねーねーがそう言いたくなるような、私はそんな顔してたのかな?
ただ、その言葉は一生忘れられないものになってしまって
風景丸ごと、今もくっきりと思い出せる。
2度と会うことはなかった人。
でも旅先で受け取ったその言葉は、思えばずっと私の人生を励ましてくれていたし、
どうにも辛い時、ふとした時に思い出すことで、
「きっとどーにかなる!」という勇気をくれていたのです。
そして、私を本気のシマ好きにもさせてしまったねえ。
あれから20数年経っての夏。
あの時、勧められたような人生にならなかったことは
今思うと、ちょっぴり残念な気もするけれど。
ねーねー、私は今も元気です(笑)
写真はこの夏、コザで見つけた、オオタニワタリ。
まちなかの廃墟で、力強く自生する個体を眺める。
生命力が溢れとるな。。
この新芽を天ぷらにしたり、ダシでさっと煮たりしたら美味しいんだよねぇ…。
私の頭は妄想でいっぱいだ。
あの頃よりも、少し穏やかに、緩やかに目に映る今のコザ。
生きようとするものたちを、許す。
人も自然も。
そう、この地はいつだって変わらず、生きるいのちに全力で優しい。