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ずっと負けていた。

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アーユルヴェーダに出会う前の話です。

私は今よりもうんと「仕事依存症」で、大事なものを実現する道は、
仕事で評価を上げることしかないと思って生きていた。
残業上等&休日出勤は当たり前で、
むしろ休日の方が、一人静かに集中して仕事ができるからありがたい、と
思ってもいた。

当時、私のカバンの中には、常にコンビニおにぎりが1〜2個入っていて、
それは自分がお米好きってこともあったけれど、
ちょっとした隙間時間に手早く空腹が満たせるから
っていうのが、何より大きな理由だった。
後ろめたさは、素材にこだわった「ちょっと高い方」のコンビニおにぎりを
選ぶことで、無理やりにチャラにした。
毎朝、ドリンク剤を飲み、出勤するのが当たり前の日々。

「あの頃、**さん(私の本名)は毎日ドリンク剤持ってましたよねぇ」
と同僚には今も言われるくらい。

そうでした。それはまるで「元気水」。

出会った人、出会ったお料理。

当時。
友人が連れて行ってくれたのが、南青山の、とある南イタリア料理レストラン。
私の大好きな地方の料理であったこと、そして共に同じローカルエリアを知る、
シェフの人柄に親しみを感じて、お店に繰り返し通うようになった。

「いや何にも凝ったことはしてないんですよ。素材のまんま」
毎回聞いても、同じことを笑って言う。そんなシェフが作る料理は、確かに見た目はシンプル。
でも本当に「何にもしていない」のだとしたら、
これはまさかのミラクルなのでは?と思うお料理ばかり。
慌ただしく生きる私にとって、いつも本当に救いのある、特別な食事になった。

健康な環境で、丁寧に育てられた味わい深い野菜たち。
そこに、料理する人の尊い心根と技術の力が加わって
南イタリアの太陽まるごとを凝縮したような、エネルギーが満ち満ちた
お皿が出来上がる。

どこで食べるお皿とも圧倒的に違っている、滋味深い美味しさ。
なのに一切の押し付けがましさがなくて、私はそこにさらに惹きつけられた。
料理する人の尊い心根と、明るい自信。
これもとても大切な要素。

全てのお皿が「生きる力」に満ちていて、私の心もお腹も本当に満たされていた。


くれはる、激しいパンチを食らう。

っと、ここまで書いたことは「すべて事実」です。

さらに加えて、ここから続くのも本当のことなのだけれど・・・

美味しく満足した私が、お店にお礼を言って帰路に着く。
帰宅するまでの間に(尾籠な話だけれど)必ずと言っていいほど、激しくお腹を壊していた。

素晴らしい素材、素晴らしい料理。
すべてのお皿を、美味しく満足していただく。
幸福な気持ちで帰路に着く途中。

翳りのある要素など、どこにもないではないか!

なのに、私の身体は持ちこたえない。
私の消化力は、一切それらを受け付けない。

それは一度ではなく、数度。同じことが続いた。
それでも私はお店を信頼していたし、何よりも美味しいお皿が恋しくて
ずっと通い続けたのです。

自分にとっての本当の理由を知りたかったのもあった。
もちろんお店に、自分の現状をお話しすることはなかったですよww


負けっぱなしさん。本当は気づいていました。多分早くから。

私は本当のことに気づいていました。

お店に一切の不備はない。

原因はお店ではない。私の身体だ。
私の身体が「それらすべてに負けている」のだと。

他のお店では一度も起こらなかったこと。

本物の食べ物、本物を作り出す人、そこに満ちた生きるエネルギー。
味覚では美味しく味わいながらも、それらを受け取りきれないという私の現状。
それくらい、私の身体の中は「今、負けている」のだということに。

そもそも勝ち負けでいうのも変だけど、しかし化粧室に駆け込み
わずか1時間ほど前に過ごした「至福の時間」がすべて奪われる当時の自分の状況は、、、
「負けてる・・・」感覚以外の何物でもなかったのです。

会議、出張、残業、休日出勤。
表向きは健康な人として会社生活を送り、仕事に励み、休暇には旅も楽しみ。
そこそこ充実した生活を送っていました。

反面、ひどい花粉症に悩まされ、呼吸の不具合、偏頭痛など、年中不調の自覚は
ありありなのに、どこの病院に行っても「異常なし」と言われ続ける日々。
「そんなはずない!」と医師の見立てに内心腹を立てながら
ドクターショッピングを重ねる時間を同時に数年間過ごす。

人には見せない、私の現状。
両方が本当、両方が事実。

いよいよ行き場がなくなり、アーユルヴェーダに出会ったのもこの頃のこと。

私は「負けっぱなし」の自分から、自力で抜け出す方法を探していた。

師についてアーユルヴェーダを学び始め、どこか正直半信半疑ながら、
まず、いくつかのことを辞め、新たにいくつかの習慣を始める。

人にいえば「は〜あ??」と言われそうな地味な習慣。それらを積み重ねる。

生活のスタイルが徐々に変化したら、いつしか花粉症や不調は遠ざかり、
シェフの美味しい季節のお料理も、適量、安心して楽しめる自分になった。

勝ち負け?もうどっかにいっちゃった(笑)


一番大事と思うのは。

「食べたもので私たちの身体はできている」

流行りのように、今よくそういうけれど。

それは半分は本当。
でもそこには大事な視点が足りていないかもねと、アーユルヴェーダを学ぶ私は思う。

もっと大事なのは「食べ方」だ。
何をどう選び、どう食べるか。
モノそのものがすべてはない。大事なのはまず「態度、そして姿勢」
モノを学ぶ前に、ベースとなる食への態度・考え方を学ぶ事。
そしてそれは常に「誰が?」を主語に伴う、実に「能動的な課題」なのです。

「自分の態度、そして姿勢」を見つめることなく、躍起になって「より正しい食べ物」を
外の世界に見出そうとする行い。

もっといい食べ物。もっと正しい食べ物。
もっと効果の高い、誰も知らない食べ物。。。

いい、悪い、いい、悪い。
もっと、もっと、もっと・・・・。

まるで新たな鉱脈を探してさまよう、ゴールドラッシュの住人みたい。
それは「正しさの量の競い合い」。

そんな終わりのない無限ループからはそろそろ一歩、抜けだすのもいいかもしれない。

自分で自分の課題に「気づく」こと。
気づける力をつけること。
すべてはそこから。
アーユルヴェーダを正しく知ることは、必ずその助けになる。


その後)
シェフの美味しいイタリア料理をいただいても、今のくれはるはもうお腹を壊しませんよ(w)
再びお腹を壊すことがあったら、それは大事な「お知らせサイン」。
私のセルフコンディションチェックに役立ってくれる、実に素晴らしいレストランです。



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by kureharu | 2017-02-11 09:43 | ココロとカラダ

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by くれはる
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