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喧嘩猫の教え。癒すとか癒されるとか。

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四万十川源流・沈下橋


二年生の修了証に書かれているアーユルヴェーダの古典書の一節を眺めています。

「金の為ではない 欲望の為でもない 生き物に対する思いやりから癒しに関わる人はすべてを超える」
(チャラカ・サンヒター・治療編 1-4:58)

いい言葉だなぁと思いながら、そして我が身に留めておきたいなぁと思っているのですが、
「癒す」という言葉は、実は長年うまく使えない、ちょっと難しい言葉でもあります。

今日はちょっと「癒し」という言葉と、私の間のアレコレなどを。

世に溢れる「癒す」とか「癒される」とかいう言葉。
私は使うのがあまり得意ではありませんでした。
「でした」というか、これ現在も進行形。

私が学ぶアーユルヴェーダは伝統医学ですし、
広い意味で病気の治療も学んでいるわけですから
そこには「癒す」という言葉が出てくるのはある意味、自然なわけですが。

「癒す」という言葉は自分から発するに、やはりちょっとした難しさも感じるこの頃です。

使うのに(かなりの)勇気がいる。
たまに無理して使うと、奇妙な「コスプレ」した後、みたいな違和感が残ります。
(内心、一人反省会になる)

「癒す、癒される」という言葉が、今どこか、流行り言葉のように流布されて
どうも本来持つ意味と、ズレが生じているような気がするからかもしれない。

というわけで、できるだけ世の言う「癒し」からは距離をとって、
あっちから見つからないようにと、いつもそーっと歩いてきました。

とはいえ、「癒されることがないのかよ、お前の人生は?」と言われると、
そこは正直に答えます。
ありますよ〜、と。

バスの中で、だっこされたお母さんの肩越しにこっち見て、
にこーっと笑いかけてくれる赤ちゃん。
よだれでベトベトの手を伸ばしてくる子供。
不意を突かれて「わはは〜!」と、お腹の底から明るい気持ちが湧いてくる
そんな出来事。
あるいは島の海にカヤックを浮かべる朝や
良質のオイルで全身をアビヤンガしてもらったあと。
ちぐはぐだった自分の心とカラダが整い始めたと感じる時。

掛け値なしの「癒し」です。

ところで「癒す」という言葉を思うとき、思い出すのはかつて実家にいた雄猫です。
大変ぼんやりした性格でしたが、それでもたまーに、野性の血がさわぐのでしょうか。
近所のボス猫に自ら喧嘩を挑んで、大負傷して帰ってくることがありました。

春の夜とかね。

耳やシッポの毛ががっぽり剥がれて、血を流しながら帰ってくる。
「ありゃー、大丈夫?」と言って家族が近づこうものなら、まるで喧嘩の続きを
こちらに向けてくるような勢いで、一切その体に手を触れさせてくれませんでした。

そしていつしか部屋の隅に静かにうずくまって、毛づくろいをしている。
その姿は、人間がとても太刀打ちできない、どこか野性の神々しさに満ちてもいました。

いくら薬とか持っていたって、人間、一切手出しできないんだもの。
こうなると神の領域です。(チンピラと喧嘩する神)

傷ついた野性の生き物が、自分の傷を癒すってこういうことなんだ、、、と
こちらも静かに眺めたものです。

猫はこちらに「癒し」を求めたりしませんでしたし、
ましてや自分の「癒し」を売りにしたりもしませんでした。

愚かな争いに起因するものでもなんでも、
自分が負った傷は自力で静かに治すものなんだという、無言の決意のようなもの・・・

部屋の隅でうずくまっていた、傷だらけの猫。
自分の体を自分で再生するための知恵。

私が魅かれるアーユルヴェーダの世界は、喧嘩した猫がいつか見せてくれた
あの日の景色に似ているのかもしれません。

「生き物として、大切な知恵を忘れるな」

そう教えられているような気もします・・・。


*写真は先月訪れた、高知・四万十川源流の沈下橋。
日本の正しい夏休みの原風景がそこにありました。
猫と一緒で、こちらにそれを求めたり、売りにしたりしないのが自然。
濁りのない自然は掛け値なしの「癒し」です。


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by kureharu | 2016-07-17 20:01 | アーユルヴェーダ全般 | Comments(0)

もっとすこやかに、さらにごきげんに!


by くれはる
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