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イタリア映画祭2015〜「カプチーノはお熱いうちに」フェルザン・オズペテク監督作品

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ゴールデンウィーク、毎年定番のお楽しみイベント。

イタリアには少なからずなご縁があって、長年この映画祭には通い続けています。
最近の最大のお目当ては
大好きなフェルザン・オズペテク(Ferzan Ozpetek)監督作品。
今年、映画祭で公開されたのは、同監督の
「Allacciate le cinture」(邦題「カプチーノはお熱いうちに」)。

ここ数作わたしの大好きな南イタリア・プーリア州の町、レッチェが
監督作品のロケ地になっていることが多く、映像をさらに魅力的にしてくれています。
レッチェは「南のフィレンツェ」と称されることもある町。
地産のレッチェ石で彫られたバロック建築で、町が蜂蜜色に輝くとても美しい町です。

さて、映画「カプチーノはお熱いうちに」。

ヒロインが病に伏していくという、重い命のテーマを扱っておきながら
なんだろう、この「救いのある感じ」・・

オズペテク映画は、登場人物たちの圧倒的な魅力。
これなくしては語れない。

いやぁ〜、今回も次々出てくる出てくる!
それもどこか、ちぐはぐな人達ばっかりが。

愛すべきゲイのビジネスパートナー。
人格を変えながら自由に生きる独身の叔母(オズペテク作品の常連女優!大好き)
自身の無駄なマッチョイズムを自分でも持て余してる夫。
宇宙人みたいなキャラの入院仲間(この人も常連女優)

ヒロインだって、美しく聡明な女性でありながら
「え、ええ?そこでそんな選択しちゃったの!?」
の繰り返しだ。
ほかの登場人物もそう。
だけど、そのありようはいつもどこかが清々しく、後ろめたさがない。

仮に誰かが「愚かすぎ」と批判することがあったとしても
「それがどうした」って感じです。

「そうしたかったからそうしたんだし、わたしはそれでいい」
そんな声が聞こえてきそうです。

その結果が人生に積み上がっているだけ。
当然その結果、お互いに揉めたり、ぶつかり合ったりもするんだけれど。
「ま、上等じゃないの!?」
最後にはそう言いながら、生きてる感じがして目が離せなくなる。

みな、心にどこか「裸足感」を持っていて、
映画に出てくる南イタリア人、みな幸せそうなんだよね。

南イタリアの家族をテーマにすることが多い監督作品だけれど、
注目すべき点は、その家族とは
「血縁のある家族」に留まらないってところ。

「血のつながり」というものに、おそらくどこかではぐれてしまったひとたち。
一人生きるゲイの友人だって、孤独な入院仲間だってそうよね。
あと、少し心の離れてしまった夫婦や親子だってそうかもしれない。

そんな人達も含めて、とても大きな意味で「La famiglia(家族)」にしてしまう。
それがオズペテク映画の懐の深さ、魅力なんだと思う。

互いの愚かさも捨て去らない。
遠慮なくぶつかり合いながらも、愛のある視線で見つめ合い続けている。

監督作品にはかならず、心優しく魅力的なゲイキャラが出てきて
時にその真剣さがおマヌケでもあるけれど。
彼(彼女?)は、主人公の最大の理解者だったりするのです。

男女だけど、恋人にはならない(ゲイだから)
だけどお互いを誰よりも認め合い、そこには確かに愛があり、
下手するとお互いのパートナー以上に理解し合ってる。
これを家族と言わずして、なんと呼ぶ?

つながりの形はひとつじゃない。
愛のかたちだって全然ひとつじゃなくていい。

うまくいっても行かなくても
ま、どちらも時々だしね。
人生は強く握り締めすぎないほうがイイ。

それがオズペテク作品。

映画を観る、その幸せがここにあります。

「カプチーノはお熱いうちに」
2015年秋、日本公開予定





胸が高鳴る。主題歌もすごくいい!
A MANO A MANO - Rino Gaetano


Commented by Yoku1210 at 2015-05-03 17:13
あー、めっちゃ見てみたいわん!

相変わらず文章が素敵すぎます、くれはるさん。
Commented by kureharu at 2015-05-03 21:07
Yokuさん、是非観てみて〜ください。
きっとツボにハマりますよ。でね、レッチェのどこがロケだったか、是非調査して教えてくださいませ〜。
前作のMine Vaganti同様、心揺さぶられる美しい映画です。
by kureharu | 2015-05-02 12:07 | レビュー(観る・聴く・訪れる) | Comments(2)

もっとすこやかに、さらにごきげんに!


by くれはる
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