海の町とセルヴァティコ
2014年 09月 03日
この夏、ようやく念願かなって苗が手に入り、育て始めたセルヴァティコ。
(アブラナ科、和名はロボウガラシ)
ルッコラ・セルヴァティカとか呼ばれたりもするけど、ルッコラ(和名:キバナスズシロ)とは別種。味も別物。
イタリア語で「野生の」を意味するセルヴァティコ(セルヴァティカ)は、その名のとおりの、苦味、辛味、香り…。
そしてなんともバシッとした歯応えを持つ。
ときに猛々しいほどの?野生っぷりが大好きな野菜(いや雑草)です。
柔らかく甘くクセがない、そんな現代日本の「野菜トレンド」にはまったく逆行する「サムライ魂」の持ち主といえるでしょう。
写真は2010年7月。南イタリアかかとのさきっちょガッリーポリという海の町で。
アフリカからの熱波で40℃近くにもなる真夏。時刻表などなんの意味も持たないようなローカル線に乗って、ヤケクソみたいな1人旅をしていた時に出逢った一皿。
海から上がり、漁港の食堂で食べたイカのグリルに付いていたのが、セルヴァティコでした。
皿の上のすべてが、日本とは比べようもないほどの野生力。
食べるこちら側に、挑んできそうな勢いがあった。
これまた洗練とは真逆の、荒っぽい地元の白ワインとともに。
とりわけ「命そのもの」といった生きた食べ物に出逢ったとき、そのパワーに負けない、ちゃんと受け取れる自分で生きているか?
野生の知恵を失ってはいないか?
そんなことをこの頃、考えたりしています。
わたしたちのココロもカラダも、わたしたちの食べたものでできている。
つまりこの町のテーブルに乗る魚はすべて、ついさっきまで海を泳いでいたもの。